未公開株めぐる詐欺、巧妙化 トラブル相談数も過去最高

2010.7.21 13:30

 未公開株をめぐっては被害相談も急増。国民生活センター( アバクロ )によると、平成21年度の相談件数は、これまで最多だった18年度の約1.5倍となる6107件に達した。すでに未公開株を所有している人をねらうケースが増えているという。

 大津市では今春、無職女性(アバクロ Tシャツ )が、1470万円をだましとられる事件が発生。滋賀県警によると、すでに所有していた未公開株の会社関係者を名乗る男から電話があり、「未公開株保有者に優先的に安く株を販売する」などと持ちかけ、女性は10回にわたり指定口座に現金を振り込んだという。

 センターによると、以前は大企業の関係者を装うなどの手口が多かったが、最近は巧妙化。

 「未公開株を高値で買い取る」と持ちかけられ、後で転売しようとして買ったが連絡がつかなくなった−という相談のほか、金融庁や証券取引等監視委員会の関係者を装い「未公開株の詐欺事件を調査している。上場予定の会社はここ」などと信じ込ませる−などの事例があった。勧誘の電話は1日に10回以上かかってくることもあるという。

     ◇

 近畿財務局では、無登録業者による未公開株やファンドの販売、ヤミ金など不正金融の相談窓口「きんざい金融ホットライン」((電)06・6949・6259、平日午前9時〜午後4時)を開設している。