【世界柔道】動画で分析 “ID柔道”の時代 

トリーバーチ 柔道の世界選手権(9月9〜13日、東京・国立代々木競技場)まで残り約3週間。地元開催の今大会に向け、映像情報がいつになく選手強化に幅を利かせている。海外の強豪選手の試合映像だけでなく、女子は「日記」代わりに、男子は時々の「参考書」代わりに映像を使っているのが特徴的。女子の方が頻繁に映像を活用する傾向もあるという。“ID(データ重視)”の成果は−。

 女子は5月以降の代表合宿に、国立スポーツ科学センター(JISS)の職員を帯同。代表選手の練習を個別に撮影させ、日々の点検作業に活用した。一方、男子は試合の映像を「組み手」や「技の仕掛け」などに編集し、技術向上の教本として使うことが多い。

 JISSは海外の有力選手の試合映像もデータベースに保存し、選手に提供しているが、利用頻度は女子の方が高いという。「自分の目で見たものしか信用しない、男子の職人気質の表れでは」と、全柔連の吉村和郎強化委員長は指摘する。

 とはいえ“ID”は時代の流れで、「彼を知り己を知れば百戦あやうからず」(孫子)の金言も。20日から東京・国士舘大で始まった男子の代表合宿では、午後をまるまる海外選手のビデオ研究に充てる。( アバクロ