【主張】最高裁合憲判決 社会的儀礼に則し妥当だ

エドハーディー バッグ 石川県白山市長が市内の神社の行事に参加した行為について、最高裁は「宗教的色彩を帯びない儀礼的行為の範囲内」だとして2審の違憲判決を覆し、合憲とする判決を言い渡した。神社による観光振興と自治体首長の役割を適切に評価した妥当な判断である。

 この神社は「白山比●(しらやまひめ)神社」で、全国の白山神社の総社として参拝者が絶えない。平成20年の鎮座2100年を記念する大祭に向けた奉賛会の発会式に市長が公用車で出席し、祝辞を述べたことの憲法判断が問われた。

 1審・金沢地裁は「宗教的色彩は希薄」だとして、合憲判決を出したが、2審・名古屋高裁金沢支部は「市長の行為は社会的儀礼の範囲外の宗教活動で、公費による参加は違憲だ」として、公用車経費の返還を命じた。

 これに対し、最高裁は「市長の行為が宗教とのかかわり合いを持つことは否定し難い」としながら、「地元にとって、神社は重要な観光資源で、大祭も重要な行事だった」「市長は観光振興に尽力すべき立場にあった」として、憲法の政教分離原則に違反しないとの結論を導き出した。

「社会的儀礼を尽くす目的」でなされ、「特定宗教を援助、助長、促進する効果」を伴わないとした。津地鎮祭訴訟の最高裁判決(昭和52年)が示した「目的効果基準」を踏まえた適切な判断である。

 白山市のように、神社・仏閣が観光名所にもなっている自治体は多い。仮に、2審の違憲判決が通用することになれば、首長は観光行政にほとんどかかわれなくなる。この意味でも、最高裁の判断は常識にかなっている。

 観光事業に限らず、神社の行事はその地域の人たちの生活や文化と密接に結びついていることが多い。自治体首長らの参拝が慣習として続いているのであれば、憲法をかさに目くじらを立てるような訴訟は好ましくない。

 首相の伊勢神宮参拝は毎年1月初めに行われている。しかし、首相の靖国神社参拝は、小泉純一郎元首相が平成18年8月15日の終戦記念日に参拝した後、中断されたままだ。

 首相が国民を代表して戦死者の霊を追悼することは、当然の崇高な行為である。中国など近隣諸国におもねることなく、首相や閣僚が堂々と靖国参拝できる環境を一日も早く取り戻す必要がある エドハーディー