サハリン残留韓国人問題「政治利用こうして始まった」 元支援会会長が指摘 (1/3ページ)

トリーバーチ 著書を手に、サハリン残留韓国人の帰還支援運動の実態を語る新井佐和子氏著書を手に、サハリン残留韓国人の帰還支援運動の実態を語る新井佐和子氏

 菅直人首相が「歴史の事実を直視する」として10日に発表した首相談話に含まれていた「在サハリン韓国人支援」は、かつて仙谷由人官房長官自身がかかわり、国会などでも「日韓の和解のモデルケース」と言及してきたテーマだ。だが、産経新聞のインタビューに応じた元サハリン再会支援会代表の新井佐和子氏(80)は、仙谷氏の個人的な思い入れの矛盾点を指摘。逆に新たな問題を引き起こしかねないとの懸念を示す。(宮下日出男)

 −−仙谷氏の一連の発言をどう受け止めるか

 「サハリン韓国人残留問題には(仙谷氏の友人で、韓国での対日慰安婦補償請求訴訟などを推進してきた)高木健一弁護士が深くかかわっていた。仙谷氏は高木氏とずっとコンビを組んでいたので、官房長官就任時から、私は戦後補償問題の再燃を懸念していた」

 −−残留韓国人問題は戦後補償の代償行為として受け止められてきたが

 「この事業はもともと、サハリンから昭和33年に日本に帰還した韓国人の故朴(パク)魯(ノ)学(ハク)氏が始めたものだ。朴氏は現地に残る韓国人に頼まれ、帰還支援運動を開始した。朴氏はサハリンの同胞たちはソ連に抑留されているとの意識で、日本の戦後補償問題とは考えていなかった。だが、高木氏らはこれを安保闘争の延長の反政府運動として利用し、韓国人の帰る自由を奪ったのは日本、帰国させる責任も日本にあるとした」 アバクロ