「三丁目の夕日」の世界が甦る 群馬の写真家、斎藤さんが銀座で写真展 (1/2ページ)

トリーバーチ 写真展に出展する作品を選ぶ斎藤利江さん=東京・銀座(田中幸美撮影)写真展に出展する作品を選ぶ斎藤利江さん=東京・銀座(田中幸美撮影)

 チャンバラごっこ、アルマイト皿での給食−。昭和が息の長いブームになっているが、昭和30年代の懐かしい風景を集めた写真展が、8月下旬と9月下旬の2回にわたり東京・銀座で開かれる。群馬県桐生市在住の写真家、斎藤利江さん(70)が約50年前に撮影した作品だ。

 斎藤さんは「あのころは豊かではなかったが、親の居所を子供が知らなかったり、親が子供を虐待するようなことはなかった。写真を見て、昭和においてきた大切な心を思い起こしてほしい」と話す。

 写真展は「斎藤利江の三丁目写真館−あの日、あの時、あの笑顔」。8月は30年代の子供を、9月は30年代の暮らしをテーマに、各30点を展示する。

 「三丁目写真館」というタイトルは、ヒット映画「ALWAYS 三丁目の夕日」に由来。同映画の続編公開を機に、平成19年9月から昨年末まで発刊された月刊コミック誌「特選三丁目の夕日」(小学館・西岸良平作)に斎藤さんは写真コラムを連載。今回の写真展はそれを再編集したものだ。

 これらは、プロの写真家を目指した10代から20代にかけて夢中でシャッターを切った写真。しかし、撮影から40年間は日の目を見ることはなかった。

 写真クラブを創設するほどの腕を持つ父に手ほどきを受け、高校時代にはカメラ雑誌や各種写真コンクールに入賞した斎藤さんの夢はプロの写真家になること。しかし、病に倒れた父の反対に合って、夢を断念。結婚して開業したカメラ店を切り盛りしながら、子供の成長記録の撮影を楽しみに過ごした トリーバーチ ラバーシューズ