老いも若きも遺言書ブーム? 作成依頼うなぎのぼり (1/2ページ)

ugg 自筆証書遺言セットを企画した岸田裕子さん=3日午後0時18分、大阪市中央区(梶原紀尚撮影)自筆証書遺言セットを企画した岸田裕子さん=3日午後0時18分、大阪市中央区(梶原紀尚撮影)

 人生を終えた後の遺志を書く遺言(ゆいごん)書への関心が高まっている。専門家への相談が増えているほか、遺言書の作成や保管などを担う公証役場や信託銀行への依頼件数はうなぎのぼり。手作りで遺言書を作成できる商品も登場し、高齢者だけでなく若い世代からも注目を集めている。専門家は高齢化社会で核家族化が進む中で、「家族間のコミュニケーションの欠如から、相続トラブルが増えていることが背景にあるのでは」と分析している。

 遺言書には、主に公正証書遺言と自筆証書遺言の2種類がある。自筆証書遺言は自分で作成できるが、法的に効力があるものとするには一定の要件を満たす必要があり、死後は家庭裁判所に遺言書を提出し、相続人全員の前で開封する「検認」を受ける手続きがある。

 一方、公正証書遺言は公証人が作成し、原本も保管されるため紛失の恐れがない。また、検認の必要がないため、すぐに遺言執行手続きをとることができる利点がある。ただ、自筆証書遺言に比べて費用がかかり、例えば5千万円の財産を1人に相続する場合、約4万円の費用がかかる。

 日本公証人連合会(東京)によると、公正証書遺言の作成件数は毎年右肩上がりで増加。平成元年は4万935件だったが、21年には7万7878件に増えた。また、信託銀行に遺言書の保管や執行を依頼する件数も年々増加。信託銀行など約50社が加盟する信託協会(同)によると、6年から21年までの16年間で、1万7533件から6万8911件と約4倍に跳ね上がった UGG ブーツ